京都市右京区宇多野
敷地面積 : 1409.44㎡
建築面積 : 501㎡
延床面積 : 973㎡
特殊条件 : 建築基準法第86条認定物件
長期優良住宅先導的モデル事業
スケルトン型定期借地権住宅
宇多野は仁和寺に近接し、古くからの豊かな自然と静けさを併せ持つ歴史文化の町・京都を代表するエリアである。京都宇多野コーポラティブハウスは周辺の歴史的風致との共生をテーマとし、京都における新しい集合住宅の在り方を追求した。
起伏のある敷地形状と森の様な既存樹木群が持つ様々な価値や雰囲気を積極的に評価し、それらをそのまま温存・活用すること、更には構造体を木造とすることで建設時の環境への負荷を低減するとともに「森の中で暮らす心地良さ」という新しい価値を生み出している。
既存樹木の保全と建築ヴォリュームを低減するために「一団地申請を積極的に活用」し、ひとつの敷地のなかに住棟を複数に分棟して配置した。また木造長屋における初の「スケルトン定期借地方式」を採用しており、建築や環境の保全をロングスパンで考えている。
外観はいぶし瓦、土間の墨色、格子の直線的なラインなどの和風の伝統的デザインコードをモルタルやアルミなどの安価な素材を用いて現代的デザインに昇華させ、地域のまちなみに溶け込ませた。
7戸の住まいはそのいずれもが住み手の個性を反映した特長的な住居形式を持ち、各住戸の全ての部屋からは外部の樹木を望むことができる。保全された敷地の起伏や樹木群は心地よく集まって住むための「程よい距離」を生み出し、宇多野の歴史を継承しつつ、新しい場所を創り出している。