価値ある建造物を活用しながら保存する国の登録文化財に、県内から新たに5件が選ばれた。国の文化審議会が18日、文部科学大臣に答申。県内の登録件数は37ヵ所114件になる。 登録されるのは、県公館=神戸市中央区下山手通4(建設19〇2年)・写真右上▽槌橋家住宅主屋=同市長田区池田寺町(堂13年)・写真左下▽北野物語(旧M・J・シェ―邸)=同市中央区北野町3(同〇7年)・写真右下▽姫路市美術館=姫路市本町(同〇5年ごろ)・写真左上▽本徳寺中宗堂=同市亀山(同一八九八年)・写真左下。 県公館は85年に改築。レンガ造り地上3階地下1階。フランス・ルネサンスの伝統を踏まえた壮麗な外観が特長。毎週土曜日午前10時〜午後4時、無料で一般公開されている。 槌橋家住宅主屋は木造2階建ての洋館。1階に食堂や台所、2階に4部屋がある。外壁にタイルを用いた、大正から昭和初期にかけての典型的な洋館。 北野物語は95年の阪神・淡路大震災で解体されたが、昨年移築された。木造2階建てで、店舗兼資料館として利用されている。出窓を備えた明治期の小規模洋館の好例で、異人館の典型的例でもある。 姫路市立美術館は姫路城の一角にあり、13年に増築されたレンガ造り2階建て。兵器庫として建てられ、市庁舎としても利用された。83年に美術館として開館。時代に合わせて用途を替えてきた好例として評価された。 中宗堂は、浄土真宗中興の祖、蓮如を祭るお堂のこと。現存する中宗堂は少なく貴重。 文化財登録制度は96年に創設。固定資産税と地価税の減免や修理費の一部補助などが受けられる。 |