国の登録文化財
県内から新たに5件
読売新聞2002年10月19日

県公館や北野物語館など

十八日に国の文化審議会が文化相に答申した登録有形文化財に県内から県公館(神戸市中央区下山手通)や姫路市立美術館(姫路市本町)などの五件が選ばれた。登録文化財は、近代の文化的な建造物を保存していこうと一九九六年から始まり、県内は百十四件となった。県公館は、一九〇六年に完成したレンガ造りの三階建て(延べ九千四百九十八平方メートル)。八三年まで県庁舎として機能し、現在は来賓者の接待や会議場などとして利用されている。国の重要文化財に指定されている金沢市の第四高(現・石川近代文学館)を手がけた建築家・山口半六の設計で、ルネサンス様式を取り入れた明治時代の建物の特徴をとどめていることなどが評価された。

姫路市立美術館は、レンガ造りの平屋(二千九百十三平方センチメートル)。一九〇五年に旧陸軍第十師団の兵器庫や被服庫として建設された後、姫路市役所として利用されていたが、市庁舎の新築移転に伴い、八三年に同美術館となった。

また、変化に富んだ窓の配置や外壁の随所にタイルを用いるなどとした槌橋家主屋(神戸市長田区池田寺町)や、阪神大震災で倒壊あと市が復元し、資料館や店舗として活用されている北野物語館(同市中央区北野町)、内陣と外陣をかさね兼えた本格的複合仏堂の本徳中宗堂(姫路市亀山)も登録された。