朝ドラ「風見鶏」ゆかりの地にコーポラハウス
神戸・北野に異人館ブームを巻き起こしたNHK朝の連続ドラマ「風見鶏」の主人公のモデルが住み、阪神・淡路大震災で全壊した洋館の跡地に29日、住民らが協同で建設するコーポラティブハウスが完成した。観光地化した北野の街並み再生へ、シンボルともいえる場所だけに景観にも配慮。事業を企画し、自らも住む建設会社社長、天宅毅さん(39)は「魅力ある北野へ、まちづくりにも積極的に参加したい」と話している。
中央区北野町一。一九〇七(明治四十)年築の洋館は、「風見鶏」の主人公になったドイツのパン職人、故ハインリヒ・フロインドリーブさん一家が代々住んでいた。
しかし、震災で洋館は全壊。再建を断念したため、譲り受けた市が部材を一時保管。その後、二〇〇一年、民間業者が北野坂沿いに復元した。
天宅さんらは、約五百平方メートルの跡地を活用し、震災後、空洞化が進む北野の再生に貢献しようと、住居建設を企画。計画に賛同した入居者が話し合って決めるコーポラティブ方式を採用した。
緑に囲まれ、神戸港を一望する住居は四階建て(高さ十三メートル)、計九戸。「北野らしさ」を大切にしようと、屋根は天然石スレートのうろこ状で、屋根上には風見鶏もある。外壁は薄い土色の塗り壁とし、景観に配慮した。
天宅さんは「地域活動への参加に積極的な入居者も多く、北野らしさを取り戻せるよう貢献したい」と話している。