コーポラティブなら思い通りの住まいが実現
コーポラティブハウスとは
自分の生活に合った家を造りたい人にぴったりなのが、入居者が自主的に作る集合住宅、コーポラティブハウス。入居希望者が集まって建設組合を結成し、土地 を購入。外観や駐車場、エントランスなどの共用部分についても参加者が話し合って決めていく。入居後は入居者の手で自主管理するのが一般的だ。個々の住戸に関しては、広さ、間取り、設備・使用、内装まで、すべて思いのまま。ライフスタイルや家族構成に合わせて理想の住まいが実現できる。また、参加者達で話 し合いの場を持ち、協力しながら家づくりに取り組むため、住人同士のつながりが深まりやすいのも魅力。資金面でも最終的な土地と建物の価格しかわからない 一般の住宅に比べ、土地の取得費用から建築費用まで、かかった金額が明確にわかるのも大きな特長だ。
入居者と地主の双方にメリットがあるスケルトン定借
今話題のスケルトン型定期借地権とは、別名つくば方式とも呼ばれる建物譲渡特約付き借地権のこと。土地を一定期間借り、そこに建物を建てることで取得価格を軽減できる定期借地権と、コーポラティブ方式を組合わせた新しい住まい方だ。まず30年の定期借地権で土地を借り、耐久性の高いマンションを建てる。入居後30年間は建物が入居者の所有となるので、内装(インフィル)は自由に設計できる。31年目以降は建物を地主が買い取って賃貸契約になる。この際、入居者の居住継続権は法律で保証されているので、譲渡金を受け取らず安い家賃で住み続けてもよいし、譲渡金をもらって退去してもよい。61年目以降は一般の賃貸住宅と同じ水準となる。つまり、入居者は生涯安い家賃で住み続けることができ、地主は将来建物を買い取る資金が不要になるという長所があるのだ。また、建物を途中で売りたくなった場合には、地主の了承のもとに自由に転売できる。緊急の時でも相場価格の80%で地主が買い戻し、賃貸経営等を行うことで対処している。
5月にはスケルトン定借普及センター関西支部06-6624-2321が大阪・阿倍野に設立された。新規事業や建設後の管理に関する調査、情報集約、支援を行う。現在、土地を活用する地主やプロジェクトに参加する企業を募っている。
では、建物の耐久性や大規模修繕の面ではどんなメリットがあるのだろう。来年5月に関西初のスケルトン定借としてお目見えする「塚口コーポラティブハウス」を手がける(株)キューブの天宅毅氏に聞いてみた。
「「集合住宅では建て替えや補修の際、住民の合意形成が難しいのが大きな問題。老後を考えると大金を出すのが不安な高齢者、これから数十年快適に暮らすためにはローンもいとわない人など、年代とそれに応じた状況はさまざま。合意が得られないため先延ばしされ、ますます建物の耐久性が低くなっていくのが実情です。スケルトン定借はこの問題の解決法の一つ。つまり通常の日本の集合住宅で大規模修繕が必要となる築30年の時期に、地主に権利が返還されているので意思決定をするのが容易になります。入居者も自分が住む期間以上の修繕費用は負担しなくてすむし、メンテナンス意識の高さが30年後の買い取り価格に反映されます。入居者と地主の双方にとって合理的な利用形態といえるのではないでしょうか」コーディネーター主導型以外に住民主体のスケルトン定借マンションも東大阪市瓢箪山で現在進行中で募集もしている。参加者の横井氏は「「広くて金額的にも納得がいく住まいを手に 入れることができる方法ですね」と話す。