アーキテクツサロン
天宅氏らが作品・プロジェクト紹介「まちなみ・景観など活発に議論」
日本建築家協会近畿支部兵庫会(JIA兵庫、森崎輝行会長)と兵庫県建築設計監理協会(兵庫設監、瀬戸本淳会長)は11日、神戸市中央区の日本真珠会館で第59回アーキテクツサロンを開いた。
会では「私の仕事」をテーマに、天宅毅氏(キューブ)、横山嘉夫氏(横山建築設計事務所)、黄進興氏(黄設計事務所)の3氏がこれまでに手がけた作品・プロジェクトについて説明したほか、参加者が景観やまちづくりについて活発に意見を交わした。最初に発表した天宅氏は、「共生をキーワードにした活動の報告」と題し、阪神・淡路大震災後に取り組んだプロジェクトを紹介。この中では、歴史的価値の高 い洋館の保存と土地活用を図る共同住宅建設の共生を目指した事業をはじめ、神戸・北野町で手がけたコーポラティブハウスや異人館と住宅を共生させる取り組 みを説明。事業手法や法制度面での課題などについて話した。
このあと、横山氏がこれまでに手がけたマンションや個人住宅を通じて、「らしさ」を追求したデザインや素材感、景観との調和など自身の設計に対する考え方 を述べたほか、黄氏は昨年、神戸・南京町に設けた「西安門」を紹介。「宋代のデザインの再現」をコンセプトに、ディテールを追求した取り組みを話すととも に、門柱に発光ダイオードを埋め込むなど、震災10周年のモニュメントとしての斬新なアイディアを披露した。
このほか、発表後に行われた意見交換では、参加者がまちなみや景観について、歴史や文化、都市計画、法制度、住民参加などの幅広い観点から熱心に意見を交わした。