街なか居住推進で鳥取市がセミナー開く
大型ショッピングモールの郊外進出や車社会化により鳥取県下でも進行しているドーナッツ化減少。鳥取市が19日に鳥取市尚徳町のとりぎん文化会館で開いた「街なか居住推進セミナー」で国交省、松井安治(都市・住宅整備課長)、小林秀樹(千葉大学教授)、天宅毅キューブ(兵庫県神戸市中央区)代表取締役が地方都市の中心市街地活性化の施策について講演、出席した40人あまりが熱心に聴講した。
冒頭で田中政幸(鳥取市都市整備部長)が「中心市街地の活性化に向けて私達が取り組んでいるのは人口回復、市街地の人の流れの創出、商業投資など過去の中心市街地を取り戻そうというもの。今日招いた講師は鳥取にはない新しい施策を提案してくれる。よく勉強し今後の活動に役立ててほしい」とあいさつ。
松井課長は「鳥取県は内閣総理大臣による中心市街地活性化基本計画の認定を受けていることもあり、金額面の支援が望める」「2009年度の税制改正が決まれば中堅勤労者でも無理のない負担で住宅取得をすることができる」など懸念されているコスト面の解決方法を示唆した。
実際にモデル住宅を展開している小林教授は「今の地主はリスクの少ない駐車場経営に向かっているが、長期的に見れば中心市街地の空洞化を促進し経営を成り立たなくさせる」と市街地の土地利用法の転換が活性を促すと指摘、「高齢化社会において駐車場を老人介護または高齢者向けの集合住宅など公共施設として利用するのがいいのではないか」と車の利用が少ない高齢者を中心市街地に呼び戻し、手の届く位置で利用できる施設環境を整える事が必要になるとした。また、「高齢化社会での地域活性化を進めるなら地主との交渉や金額面が問題となる」と行政支援の必要性も訴えた。
天宅社長は自身が民間企業で進めているコーポラティブ方式について解説。「住宅購入を考えている人々が集まり共同出資で住宅を取得するというコーポラティブ方式を利用すれば、一区画でも多くの世帯が集約できる」と民間の立場から活性化へのアクセス方法を提唱した。