最優秀賞に千葉大学大森チーム+キューブ
復興まちづくり型分譲住宅設計コンペ
長田東部まちづくり協議会とコープ住宅推進協議会関西支部は二十四日、震災空き地を活用する良質ミニ開発として実施したこうべ、長田東部地区「復興まちづくり型分譲住宅」設計コンペの結果を公表した。四百九件の作品の中から、最優秀賞に千葉大学森永良丙チーム+キューブを 決めたほか、優秀賞二点、佳作四点を選んだ。今後、ユーザーを募って最優秀作品の事業化を図る。
コンペが行われたのは長田区五番町二丁目の敷地五百三十平方メートル。地区は神戸市が密集住宅市街地整備促進事業にもとづき、道路や公園などの住環境の整 備を進めている。若年世帯やファミリー世帯が住んでみたいと思うようなまちづくりを進めるため、地区のイメージを一新できる新鮮な発想と具体的な提案にもとづく良質かつ適性な価格の住宅供給の提案を求めることを目的にコンペを行った。
審査の結果、最優秀賞に千葉大学森永永良丙チーム+キューブ、優秀賞に大阪芸術大学長田ゼミ+ICUおよび松本明(松本明建築研究所)、吉川朋子(同)を選んだ。
佳作は、平林雅博(アール・アイ・エー)+平林威久子(都市計画事務所ウラス)、吉田真三(吉田真三建築設計)+新谷眞人(オーク構造設計)、森畠吉幸 (森畠吉幸建築研究所)、眞柴一樹(ナスカ)、川戸圭介(同)、矢部達也(矢部達也建築設計事務所)+大西康伸(京都工芸繊維大学院博士後期課程)。
最優秀作品は、S造三階建て住宅六戸、敷地六十六から百四十三平方メートル、延べ八十三から百八十四平方メートルを提案し、路地や小広場を取り入れ仲良く暮らすコミュニティを重視した作品をなっている。
審査委員会(遠藤剛生、高田昇、室崎益輝)では、「空間のデザインと生活デザインの両面で質の高い、独創性をもつ作品であり、計画の可変性自由度が高く、 コーポラティブ方式に配する深い理解が見受けられる空間構成であるとともに、場所性をよくとらえた提案」などと高く評価した。
なお、同協議会らでは八月五日、神戸市兵庫区のコンペ入賞者の受賞式と、新開地まちづくりスクエアで、一般ユーザーへのプレゼンテーションを兼ねたフォーラム「建築家による戸建てコーポラティブハウスのおすすめ」を開く。