一つ屋根の下末永く
共同建て替え住宅が完成 12人困難乗り越え 灘区備後町
阪神・淡路大震災で被災し、単独での自宅再建が困難だった地権者四人と、公募で参加した近隣の住民八人による共同建て替え住宅「スクウェア六甲」が二十一日、神戸市灘区備後町に完成した。震災から四年余りを経て、ようやくわが家を取り戻した入居者らは「チームワークがあったからこそ」と、感激の表情で完成式に臨んだ。現地は、復興区画整理などの事業区域外の「白地地域」。敷地約二百六十平方bに、八階建ての住宅十一戸と店舗一戸を建設した。
同住宅は、事業前に入居者を募ることで、間取りなどに入居者の意向を反映できるコーポラティブハウスにしたのが特徴。自宅が全壊した地権者が一昨年、新たな参加者をチラシで公募した。集まった計十二人で建設組合をつくり、それぞれ部屋数や内装を決め、昨年二月から工事を進めてきた。住宅市街地総合整備事業制度を活用し、公費助成も受けた。
完成式では、建設組合の鶴谷治好理事長(六七)が「皆さんのおかげで、完成にこぎつけた。同じ屋根の下で末永く、仲良く」と笑顔であいさつ。入居者には高齢者も多く、「互いに話し相手になれれば」「電気に詳しいので修理は任せて」などと声を掛け合っていた。