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神戸新聞  

2003.5.21

大正の洋館保存し集合住宅玄関に 神戸・長田

大正時代に建築された洋館をマンションの玄関や集会場として利用しながら保存する事業が神戸市長田区池田寺町で計画されている。洋館の改装や維持費用は、マンションの分譲代金や月々の管理費を当てる。住民が関わる形で歴史的建築物を保存する手法は珍しい。

一九二三年に建てられた「旧槌橋邸」は木造二階建ての住宅で、スペイン風のデザインが特徴。阪神大震災で壁がはがれ落ちるなどの被害を受け、所有者の槌橋雅博さんが保存の方法を模索していた。

文化財に指定されているビルを再生した実績がある不動産販売などのアイディーユー(大阪)、マンション分譲の日本エスコン(同)が洋館の再生案のほか、マンションの基本コンセプトや建物の配置などを提案した。総事業費は約十一億円。

洋館と六階建てマンションは廊下でつながり、洋館一階には集会場や管理室、郵便受けスペースなどを設ける。二階は映画監督でもある槌橋さんが仕事場やアトリエとして使う。

販売は二十四日から。約六十六平方メートル―八十五平方メートルの三十九戸を分譲。価格は約二千四百万―三千六百万円。

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