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イメージなし サンケイリビング東神戸
1999年 8-21  No.-
契約期間の後も”住”を保証 スケルトン定借
地主との話し合いで売却か賃貸かを選択 家・暮らしMIMIYORI情報
スクラップ&ビルドを繰り返す日本の住まい。構造部分(スケルトン)を100年以上耐えられる頑強な作りにすることで資源を有効利用し、価格帯を抑えるために定期借地権を用いたものが「スケルトン型定期借地権住宅(略称=スケルトン定借)」です。来年6月には関西発の物件も塚口に誕生します。
水回りも自由な設計が可能、 費用は分譲の5〜8割程度
現在、阪急塚口駅前に建設中の関西第1号のスケルトン定借は、入居者自身が間取りを自由に設定できるコーポラティブ方式を採用。「1階は地主経営の整形外科医院、2〜6階にはコーポラティブハウスを。昨年末に募集し、完成まで1年半かかりました」とは、設計・コーディネートを担当する、キューブ・天宅毅さん。躯体部分と内装とを完全に分離させることで、水回りも自由に動かせ、リフォーム時にも便利です。「また、定期借地権なので、土地の購入費用が不要。その分、分譲価格の5〜8割程度で済みます」。
規模は10〜20戸 で、コミュニティーづくりに適した戸数だそう。従来のコーポラティブ方式は共有部分の設計など、入居者全員が合意に至るまでに時間がかかりがち。スケルト ン定借の場合は、土地と構造部分は地主の所有であるため、入居者は自分の住居部分について設計者と相談しながら決定することができます。
希望の間取りを、 こだわりで実現
「老後は駅前で利便性の良い場所が一番。同じ条件で分譲だとちょっと手が出ません。それに一階には、医院もあって安心な んで」と話す福原千恵子さんは、震災で住んでいたマンションが全焼。建て替え同意の煩わしさから、以前のマンションの権利を譲渡し、この計画に参加しまし た。
「トイレは寝室とリビング側に2つ。ベランダは広めに採りたかった。」と間取りにはこだわりが。住宅への思いが、設計相談ごとに膨れ上がり、打ち合わせも4〜5回、コストも最初と比べ、200万円以上増えたとか。「ベランダを住民の集まる場所としても使って良いかな…」と、入居後の生活にも、思いをはせています。
修繕がしやすい 明確な権利関係
「スケルトン定借」は、もともと、茨城県つくば市の建設省建築研究所で開発、平成8年に第1号が同市に完成しました。現在関西では、塚口をはじめ、阪急電鉄の芦屋プロジェクト(2001年1月完成予定)といった大手の事業も進行中。スケルトン定借普及センター関西支部によると、今秋には大阪府下や神戸市内でも計画。
「スケルトン定借は、権利関係が明確(別項参照)。大規模修繕すれば31年目の建物代金が高くなり、入居者の利得にも。修繕の合意形成もしやすいのでは。通常の定期借地権の場合は、51年後には入居者が建物を取り壊し、更地で返還することが原則。そのため、修繕工事にも消極的になり、解体費用が回収できないことも。その点でも、スケルトン定借は安心といえます」と同センター関西支部。地主側にもメリットの多い住まいといえそうです。
  • スケルトン定借の権利関係とは―
入居者は、地主と30年間の定期借地権契約を結び、建物は購入(転売もOK)。30年後は原則、地主が入居者から建物を買い取り。入居者は建物代金をもらい退去するか、代金を受け取らずに賃貸住宅として住み続けるかを決定。住み続けるなら、建物代金を31〜60年目までの家賃の一部に充てる「家賃相殺契約」を結ぶことで、安い家賃で暮らせます。60年後は一般の賃貸住宅として、再度契約を。
地主が30年後、建物を買い取らない場合は、定期借地権が延長。60年後建物は無償になります。
 
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