メリット
定期借地権であるから安価に取得する事ができる。またコーポラティブ方式を採用しているため、入居者のニーズに合わせた住戸内設計が可能である。そして最も重要なポイントは、従来の分譲マンションが抱える最大の問題点を解決する方法論を提示している点にある。従来の分譲マンションは一般に30年目から35年目にかけてエレベーターや給排水管の前面交換といった大規模な修繕を行う必要があるが、費用が高額になるため合意形成を得る事が難しい。建替えへの合意形成も難しく、結果として放置されスラム化することが危惧される。
スケルトン定期借地権は大規模な修繕を乗り越えて円滑に修理を行う方法をハード面のみならずソフト面まで包括してシステム化したものである。具体的には30年目の地主の買取価格に建物の修繕状況を加味して増減する。大規模修繕を行えばその費用の1/2を買取り価格に加算し、修繕をしなかった場合には相当額を減額する。建物修繕については土地オーナーと個別契約するため住民の合意形成も特に必要としない。一般的に返還前のスラム化を避けることが困難とされている定期借地権で、インセンティブとペナルティを効果的に機能させることで、借地期間中に限らず返還後も健全な管理状況の元で入居できる、入居者・地主双方にとってメリットの大きい画期的な住宅供給手法である。